社長になりたいと思ったきっかけ

起業とかベンチャーとかいう言葉もない中学生の時に、会社の社長ばかりを特集しているテレビ番組を見て将来自分も起業したい！と思ったのが一番最初。ただし、社長になればいい家に住めて、いい車を買って、いい暮らしをして…とすごく不純な動機だったけどね。大学時代のあだ名も「社長」だったし、ずっとブレずに「社長になる」という思いは貫き通したね。

大学時代は今でいう「パリピ」だった

大学は理数系に進んで、経営者になるという野望があったので工業経営や管理工学、経営工学などを専攻。100人くらいいるテニスサークルの幹事長を務めて、勉強そっちのけでサークル活動をしてたな～。テニスサークルを選んだのはキレイな先輩がいたからという、これまた不純な動機だったなぁ！でも大学では目的があってね。

1. ①生涯付き合える友達を作ること
2. ②何らかの組織運営をして将来会社運営に役立ちそうなことをすること

この2つがしたかったので、その目的は果たせたんじゃないかな。その当時唯我独尊状態で怖がられていたのは後々反省したけどね。今では「想像できない」って言われるけど、昔は「ナイフのようだった」と言われていたね。今ではずいぶん丸くなったと思うよ。

数奇な巡り合わせ

社会人になって2年目くらいの時、俺って「持ってるな」ということがあって。飲み会の席で隣になった14個上のMさんというおじさん（その当時の自分からしたら偉い人）が、なんと自分と大学から学部から学科まで一緒で、しかもお世話になったH先生の研究室だったということがわかり、とても盛り上がった。めちゃくちゃすごい縁だよね？そしたら親近感がすごく湧いて。その後もMさんには可愛がってもらって、仕事でも融通してもらったり自由にやらせてもらったりした。人に恵まれて本当にラッキーだと思うし、縁でしか生きてないと言っても過言ではないね。

縁が数珠つなぎ

この後インサイトを設立するきっかけになったシリコンバレー系のベンチャーの仕事もMさんつながりだったし、前の会社の同期は今もインサイトで働いてくれているし、幹部の何人かはその同期の元同僚や部下だったりして。大学のOB会も毎回出るようにしているし、幹事や司会はできるだけやるようにしている。そのつながりで別の勉強会に呼ばれたり、「この人面白いな」って声をかけてもらえることが増えた。そうして縁が途切れず続いてるけど、そういう「誰かのために何かやろう！」というスタンスが人を引き寄せているんだと思ってる。

坐禅を始めたいきさつ

アップル社設立者の一人、スティーブ・ジョブズが坐禅に傾倒していたと話を聞いて「すごい人がやってるんだし、なんか（経営の）ヒントがあるかもしれないから真似してみよう」と思ったのが最初かな。これも不純な動機になるかな？会社のメンバーと体験坐禅に行ったけど、その時は忙しかったのもあって続けようとは思わなかったんだよね。毎日坐禅するようになったのは出会いから2年くらい経ってから。経営者が集まる勉強会に行き始めて、色んな勉強会の中に坐禅の会があって。「坐禅は毎日やることが大事」と言われてやってみようとなった。最初は5分から始めて、だんだん延ばしていって今は20分くらい坐るのが日課になったね。変わってきたな、と実感を得られたのは1年半くらいしてからかな？お腹の奥に重心のようなものが座っていて、軸を感じるようになった気がする。禅的な考え方にも影響を受けてきたと思う。表層的な動きにあまりとらわれなくなってきた。『衆生本来仏なり』という言葉があって、全ての人の中には仏がいて、それは誰かの役に立ちたいと思う心や、誰かに親切をして気持ちいいと感じる心なんだって。そういった利他の心を生かしていくことが仕事でも大事と思うようになったよ。

インサイトを創業してから

2007年に取締役の救仁郷ともう一人の仲間の3人でインサイトを設立。その後順調に会社も大きくなって社員も増えていったけど、比例するように採用の難しさが浮き彫りになって。忙しくなるにつれて人間関係が複雑化して人がどんどん辞めていってしまって、円形脱毛症になるくらい悩んだね…。都度改善策を講じたり制度を見直したりはしてみたけど、根本的には社長である自分に問題があると思って、この頃から勉強会などにも積極的に参加するように。まずは自分を変えよう、と思ったんだよね。それがよかったかはわからないけど、今では未経験から入った社員が力をつけ、中心となって動いてくれている。ひとりひとりの行動や考え方が会社に影響を与えていて、今のインサイトになっているんだと思う。

インサイトで働くということ

「会社って何だろう？」「インサイトに入ってよかったと思ってもらうにはどうしたらいいんだろう？」というのは常に考えているね。人生において会社にいる時間は総じて長いから、どうせ過ごすなら働きながら幸せになるのがいい。そのほうがお客様も幸せになると思わない？綺麗事かもしれないけど、誰かの幸せを祈ることが功徳となってそれが伝わっていくと思っている。そう思うことが重要なんじゃないかな。